「マインドフルネス」
前回はその概要とマインドフルネス瞑想の方法についてお伝えしました。
今回は、グーグル社内で開発されたSIY(Serch inside Yourself)のプログラムの中から、アンガーマネジメント(怒りのコントロール)について紹介します。
【アンガーマネジメント(怒りのコントロール)】
アンガーマネジメントは、怒りなどの衝動的な感情を制御するプログラムです。
1.Stop 停止する
2.Breathe 呼吸する
3.Notice 気づく
4.Reflect よく考える
5.Respond 反応する
このプロセスの頭文字をとって、SBNRRと呼ばれ、注意のコントロールからはじまり、認知的な変化に至る情動の自己制御プログラムです。
それではこのアンガーマネジメントのプロセスである、1~5の中身を詳しく見ていきましょう。
1.Stop 停止する
ネガティブな情動が湧き起こったきっかけが起きた時、自分の中の衝動的な反応をいったん停止(Stop)させます。
あるいは、ネガティブな情動によって衝動的に反応してしまったシーンを思い出し、自分の中でたちあがってくる衝動的な反応をいったん停止(Stop)させます。
2.Breathe 呼吸する
停止したあと、1~3回の呼吸をします。
衝動的な反応を停止し、呼吸を意識することで身体をリラックスさせ、落ち着きを取り戻していきます。
そして、呼吸をつづけながら、心を静め、衝動的な反応を引き起こす目の前の出来事と自分の間にスペース・間をつくるイメージをもつことで、身体の中の情動経験を客観的に観察する余地が生まれます。
3.Notice 気づく
自分の注意を身体に向けて、どのような反応が身体に起こっているか、客観的にその反応に気づいて観察していきます。
このとき、評価や判断をせずに、ただ身体で起きている反応を観察します。情動的な反応は身体的な反応であり、生理的な現象であるため、その
反応や経験を観察します。
4.Reflect よく考える
この情動はどこから発生しているのでしょうか。
この衝動を起こしたきっかけがが自分の過去とどう結びついているのか、また、相手の視点や立場に立って自分を眺めてみます。そして、次の言葉について考えましょう。
「誰もが幸せになりたいと望んでいる
この人は、このように振る舞うと何かの形で幸せになれると考えている」
5.Respond 反応する
最後は、衝動的に反応・行動する代わりに、今回の状況に最適な反応・行動を頭の中でシミュレーションします。
そして、その行動を選択したとしたら、どのようなポジティブな結果となるでしょう。想像してみてください。
優しさと思いやりをもった反応ができるでしょう。
いかがでしたか?
実践を重ねることで、情動は自分自身ではなく、自分が経験するのもに変わっていくそうです。自分が怒りそのものである状態から、怒りを身体で経験する状態になり、その怒りという情動は「ただの生理的現象」であると発見することができるそうです。
情動を手放す瞬間を経験したい、と切に思います。
参考文献
方喰正彰(2017)「マンガでわかるグーグルのマインドフルネス革命」サンガ.