今日は私たちの毎日の睡眠について考えていきます。
特に、睡眠不足の恐ろしさ、そして具体的に良質な睡眠をとるための簡単な方法について共有します!
脳から出る老廃物の掃除を効率よくするためには、深い睡眠がすすめられている!
睡眠は脳が休むために特に必要なものです!
脳は1年ですべてが入れ替わるほどのたんぱく質を合成するそうです。その量は1日にすると7~8グラムを合成し、入れ替わっています。その時に出る老廃物は、起きているときに比べて睡眠時には2倍の速度で脳から廃棄されています。
また、不快睡眠であればあるほどその廃棄効率が高まることが分かっています。つまり、起きているときは脳が活動しているので、老廃物の掃除がままなりません。そのため、眠らなければその分だけ老廃物がたまってしまうのです。特に、記憶に関連する海馬や視床などにたまりやすいと言われています。
睡眠と認知症には関係がある!
近年、認知症と睡眠とは関係があることが分かっています。
認知症とは、何らかの原因で脳の細胞が壊れたり、はたらきが悪くなったりするために脳の機能が低下し、記憶障害などのさまざまな症状が現れ、生活に支障をきたす状態を指します。
後ほど詳しくお話ししますが、認知症を引き起こす原因には、よく知られているアルツハイマー型認知症のみならず、さまざまな病気があります。
なお、進行する高齢化に伴い、近年、認知症は増加傾向にあることが分かっています
実際に寝不足の人は、十分に睡眠がとれている人と比べて、認知症になる確率が1.5倍も高いのです。また睡眠時無呼吸症候群の人も1.2倍高いので、睡眠不足を解消すれば認知症のリスクはかなり下げられると考えられています。
具体的に良質な眠りを得る方法とは?
毎晩、どうしてもすーっと眠ることができない。あるいは寝ている途中で目が覚めてしまい眠れなくなる人は数多いと思います。しかし薬に頼り続けるのはちょっと…と思う人も多いはず。そうした不眠に悩む人に向けて、早稲田大学人間科学学術院の岡島義(おかじま・いさ)先生が勧めるのが、認知行動療法を利用した睡眠改善方法です。
その中でお勧めなのが、「睡眠ダイアリー」です。
この睡眠ダイアリーは、自分で記録を取り続けながら原因を探り、自分で決めた目指すゴールに近づこう!というものです。
以下の項目を毎日、日記のように記録します。
・布団に入った時間
・入眠した時間
・何回目が覚めたか
・再入眠にかかった時間
・朝、目覚めた時間
・布団から出た時間
本人は「眠れていない」と思っていても、日中の活動に支障がない日がほとんどであれば、それほど気にする必要がないそうです!それに気が付くだけでも、元気になりるものです。また、1週間の平均睡眠時間を算出し、その時間だけ布団に入る方法「平均睡眠時間の分だけ布団に入る」ことを徹底して実践することでも、途中で目が覚めない良質の眠りが手に入ります。
この睡眠ダイアリー、便利なアプリも出ています!
東京家政大学・岡島義先生とNECソリューションイノベータ株式会社との共同研究により開発されたものです。
www.nec-solutioninnovators.co.jp
睡眠についての情報はどこで集める?
病院に行くまででもないけど、情報があったらな…と思う方、多いと思います。そこで、専門家が研究機関と協働して睡眠についてのサイトを立ち上げています。ぜひ、参考になさってください。
睡眠医療プラットフォームとは
国立精神・神経医療研究センターは全国の代表的な睡眠医療施設、大学、研究機関の専門家と共同して、睡眠健康度の診断サイトを作成しました。それが睡眠医療プラットフォーム(睡眠医療および睡眠研究用プラットフォーム Research Platform for Advanced Sleep Medicine; 略称PASM)です。睡眠習慣・睡眠状態に関する幾つかの質問に答えていただくことで、睡眠障害の有無について簡易判定します。睡眠障害の疑いのある方には、ID登録をしていただいた後に詳細診断が可能なサイトをご案内します。診断結果はご覧の画面の他、PDF等で保存・印刷することも可能です。診療をご希望の場合には受診先に診断結果を持参していただければ大変役立つ資料になります。
ところで…雑記です
子どもに、「今日はたくさん遊んだし運動したんだから、もう寝なさい!」と叫ぶこと多いと思います。
睡眠は知識を記憶するためにとても重要ということはよく言われていますが、スポーツなどの運動記憶についても重要ということご存じでしたか?!
スポーツの練習後にきちんと眠ることで、次の日は連取しなくても4日目まではスキルアップすることが実験で確かめられているそうです!
スポーツも記憶として睡眠をとることで脳に定着されるのですね!