長男が生まれる前から、結婚する前から飼っていたチワワが亡くなった。
急すぎて、突然すぎて、時間の流れに気持ちが付いていかない。
君が4歳になったころから、別けあって一緒には住めなかったけど、再会すると私のことを覚えていてくれて、しっぽを振って嬉しそうに飛びついてきてくれることが本当に私を癒してくれた。
命の終わり。
それは突然やってきたね。
私が駆けつけたときには、もう私のことも分かっていなかった。
意識がもうろうとして、そろりそろりと歩み寄る死への拒絶反応に見えた。
慌てて駆け込んだ病院も、混んでいて1時間半以上も待ったんだ。
周りの目を気にして、心配してる風に見られないように本を読んで順番待ちしていたけど、全く本の内容は頭に入ってこなかった。
ただただ、診察の順番がくるのを祈ってた。
意識が混濁している姿をひたすら眺める。
一緒に過ごした時間がどんどん記憶の中からよみがえってくるよ。
何度も飛行機に乗って日本の北から南まで旅した。
イヌ用のキャリーバックを背中に背負って、山登りやサイクリングもした。
標高1894メートルの羊蹄山の山頂にも一緒に登ったわ。
友達の結婚式にも一緒に出たよね。
この日、私にはどうしても看取りの選択ができず、入院の措置をとったんだ。
医療行為を自分ですることができる自信がなかった。
自宅でただただ弱っていく姿を見るのを拒んだ。
夜中の電話。
鳴っているのが分かった瞬間、命の火が消えたんだなと悟った。
あっという間に私のいない世界へ逝ってしまったね。
当分、日々のいろんな瞬間に思い出すんだろうな。
そのたびに涙するんだろうな。
私もそのうち、君のいる世界に行くよ。