私の祖母は、93歳です。
ぎりぎりの大正生まれで、戦争を経験し、戦後を生き抜いた強い女性です。
そんな祖母は、10年ほど前から軽い認知症を発症し、現在では要介護4の状況です。
ここ1年で骨折による入退院を2回し、そのたびに体力と認知が落ちて、目に見えて弱っていっています。
そしてこの夏、肺炎球菌になり救急車で病院へ運ばれました。
肺炎球菌?!
そう。
今では赤ちゃんも予防接種を受ける肺炎球菌です。
2歳以下の子どもは肺炎球菌に対する免疫がほとんどないそうで、感染すると重症化することが多くなり、赤ちゃんや子供以外にも、高齢者もかかりやすい病気だそうです。
祖父が7年前に肺炎で亡くなったので、その後すぐに祖母は肺炎球菌の予防接種を受けたのですが…
接種時期が7年前だったため、もう効果が切れていたようなのです。
現在、は65歳になると行政から定期接種のお知らせがくるそうです。65歳を超えている方でも、70、75、80歳と5歳間隔で対象の方にお知らせが届くそうです。
ただ、この定期接種のお知らせは1度のみ。
理想としては、5年おきに自費で接種するのがよい、と言われているようです。
このようなこと、知ってましたか?!
祖母を自宅介護している母も知らず、自宅介護の専門の先生も把握していませんでした。
くやしいですよね。
5年おきに定期的に行政が接種を促す、あるいは補助をしてくれていれば…
そして、65歳以上の高齢者は肺炎球菌のワクチンを5年間隔で接種するべき、という情報が身近にあれば…
言い出したらきりがありません。
救急車で運ばれた祖母は、結局、1か月入院しています。
容体は、点滴で栄養を得ていたのが、病院食を食べられるようにまで回復したり、そして今、また脱水症状で点滴を受けています。
リハビリも、寝たきりだったのから、数メートルあるいたり、トイレで排泄をしたりと進んでいたのですが、現在はまた寝たきりに。
良くなったり、また悪くなったりの繰り返しです。
心臓にペースメーカーも入れているので、その心臓の負担と、あとは年齢による体力の低下もあるみたいです。
母は、自宅での看取り介護に向け、毎日、役所へ行ったり、ケアマネージャーさんや在宅介護専門の先生やヘルパーさんに連絡を取ったりと、休む暇がない状況です。
母の姉妹2人も、東京と大阪から何回も駆けつけ、祖母の世話をしています。
そんな中、私はもう臨月。
いつ陣痛がきてもおかしくない週数になりました。
不安がいっぱいです。
2人の子供の出産のときは、祖母の介護はそこまで進んでいなかったため、母を頼りにすることができました。また私の妹も産褥のお手伝いをしてくれたので助かりました。
今回はこのような状況のため、頼りに出来る人と言えば…
旦那さん?!
でも旦那さんも育休はさすがに取れないらしく、1週間程度の有給取得になりそうです。
出産は過去2回と同様に助産院での予定です。
そこで、助産院の助産師の先生に、産後、通常は5日で退院するところを延ばせないか、と聞いてみることにしました。
「あなたなら、良く知っている人だから大丈夫よ。もし万が一、ここで産めなくても、退院後いらっしゃい」
この一言でどれだけ私は救われたことか。
「大丈夫よ」
この一言。
母も旦那さんも言ってくれなかった一言。
先生、ありがとう。
生と死。
出産と看取り。
私たち家族は、この短い間にいろんな経験をしそうです。