「マインドフルネス」
最新の脳科学で、「ストレス軽減」「集中力アップ」「自律神経回復」などの効果が実証され、アメリカではグーグルをはじめフェイスブックやインテル、マッキンゼーといった企業のほか、政府機関の研修でもマインドフルネスは取り入れられています。
これまでにお伝えしたマインドフルネスの手法については、以下のリンクをご確認ください。
☆ マインドフルネスについての概要とマインドフルネス瞑想の方法について
☆ 怒りをコントロールするというアンガーマネジメント
☆ 書くことによって自己を発見するジャーナリング
そして今回、同じくグーグル社内で開発されたSIY(Serch inside Yourself)のプログラムの中から、共感を高めて関係性を改善する、ジャストライクミーの瞑想について紹介します。
【ジャストライクミーの瞑想】
人は相手との共通点を見出すと、相手への関心と共感が高まります。
例えば、自分が率いる チームのスタッフと良い関係性を築けないと良いチームは作れません。良い関係性を築くためには、相手への共感は欠かせません
共感は人間に生まれながらに備わっている能力です。
共感とは…
・他の人の気持ちを経験したり理解する能力
・自分と他の人の気持ちや立場について明確な区別を維持する能力
この2点を共存させている能力のこと
この共感力を育むためのワークとして、「ジャストライクミー(私とあなたはまったく同じ)の瞑想」があります。
では、具体的にどのように取り組むのか見てみましょう。
《手順》
① マインドフルネス瞑想と同様に、背筋を伸ばし、目を閉じ、ゆったりとした呼吸を5回行う
このとき、吸う息・吐く息、それぞれのプロセスにしっかりと注意を向け呼吸を味わう
呼吸を行いながら、心と身体がリラックスしていくことを感じる
② 頭の中で、共感を向けたい相手を思い描き、次のような言葉を唱える
・この人は私と同じで、身体と心をもっている
・この人は私と同じで、気持ちや感情、考えをもっている
・この人は私と同じで、これまでの人生で、悲しみ、失望、怒り、傷つき、うろたえたことがある
・この人は私と同じで、これまでの人生で、身体の痛みや苦しみ、心の痛みや苦しみを経験してきた
・この人は私と同じで、痛みや苦しみから解放されたいと願っている
・この人は私と同じで、健康で人に愛され、充実した人間関係をもちたいと願っている
・この人は私と同じで、幸せになりたいと願っている
③ 必要と思うだけ一連の言葉を繰り返したのち、自分の注意を呼吸に向ける
また、自分の心と身体にも注意を向け、どのような変化があったか、自分が今、どのような状態になっているか確認する
④ 最後に、呼吸に意識を戻して数回呼吸を行い、ゆっくりと目を開ける
いかがでしたか?
普段、私たちは、「自分は自分、相手は相手」と人と自分の間に仕切りを作りがちです。
このように、「相手も自分もまったく同じ(ジャストライクミー)」と唱えることで、その仕切りを取り除き、自分の心を開き、相手への共感を高めることができます。
そのため、ジャストライクミーの瞑想を行うと、優しい気持ちが生まれ、自分から他人に歩み寄ることができるようになり、他人と自分を必要以上に区別しない心の状態になります。
共感の心を習慣化し、思いやる態度が本能として育つことで、仕事場でも家庭でも、円滑で優しい気持ちが持てる関係を保てそうですね。
今回のプログラムも、実践あるのみ!
参考文献
方喰正彰(2017)「マンガデわかるグーグルのマインドフルネス革命」サンガ.