「易」を知っていますか?
中国に生まれた「易」、「易経」は、東洋哲学の真髄、とも言われています。
五千年前に生まれたとされ、日常生活の疑問や問題の指針を得る書として、古くから活用されてきました。
きわめて難解な書であるにもかかわらず、数千年にわたって活用されてきたのは、その実用性にあったからなのでしょうか。
シンクロニシティ(意味のある偶然)を名付けた、スイスの心理学者、カール・グスタフ・ユングは、実は易の大家として知られています。
「易があたると、そんなことは偶然だという人がいるが、易に限らず、われわれは一般に予測できない出来事をいいあてたりすると、しばしば『偶然』という言葉を使う。だが、フロイトもいっているように、いい間違い、読み誤り、度忘れといった現象すらも決して偶然に起こるわけではない。易の的中がまぐれあたりだという意見に、私は反対である。それどころか、わたしが経験した易の的中率は、偶然の蓋然性をはるかに超えている。易において問題になるのは、偶然性ではなく規則性であることをわたしは確信している」
と、ユングはいいました。
易に規則性があるという発見は、ユングにとって無意識が時間的のみならず空間的にも存在することを確信させることになったようです。
そして、易の高い的中率の原因は、無意識からの直感によって、未来の空間的状態を規則的に知ることができるためだと考え始めました。
ご存知でしたか?!
そう。これまで占いなどに興味が無かった私が、易に興味を抱いたのは、この無意識(潜在意識)との関係があったからです。
「易占いをするとき、あなたはあなたの潜在意識の反応を促進しているのである。あなたの心を受容的なもの、偽りのないものにすることによって、実際にあなたの心の深奥から回答を得ているのである。それは比喩的、抽象的な言葉で与えられる答えを引きだすための一種の機械的手段といってもよい」
と、ジョセフ・マーフィーは易占いと潜在意識の関係を明確に語っています。
「易は特定の指図は与えない。それはあなたについて語るだけである。それを知って解釈することによって、あなたは次に打つ手を決定するのである」
この易占いのもたらすメッセージは、きわめて抽象的で、それは時に、現実的な判断でなかったり、意味がわかりにくかったりします。
しかし、最大の効用は、まさにこの抽象性にあるといわれています。
自分の心からの声を、はっきりと顕在意識で受信するための増幅回路の役割を果たしてくれるもの。
これが易です。
まだ、私は易について勉強中ですが、何か具体的な事象が発生したら、お知らせしたいと思います。
参考文献
ジョセフ・マーフィー(2006)『マーフィー博士の易占い 運命が不思議なほどわかる本』大様文庫.