「シンクロニシティ」を知っていますか?
日本語では、「意味のある偶然」といわれています。
人やモノとの出会い、言い間違い、読み誤り、度忘れといった現象も決して偶然によって起こるのではない。
この世界は意味で溢れていて、意味のある偶然の一致がこの世界に普遍的に存在する――。
このことに気がつき、それを「シンクロニシティ」と名付けたのが、スイスの心理学者、カール・グスタフ・ユングです。
ユングは、シンクロニシティを次の三つに分類しました。
シンクロニシティ① 心的な状態と外界での事象の一致
シンクロニシティ② 遠隔視による一致
シンクロニシティ③ 予知による一致
シンクロニシティ①は、心的な要因と同じ状況が時を同じくして因果関係もなく外界で起こること。たとえば、夢で見た同じ状況が、今、自分に起きていることです。
シンクロニシティ②は、離れた場所で実際に起こっている事象と、夢など心的な要因で見たものが一致する場合。たとえば、遠くで火事が起こっていることを夢で見て、実際にその事象が起こることです。
シンクロニシティ③は、時間的に離れた、まだ起きていない未来の出来事が現在の観察者の心的な状態と符合する場合。たとえば、予知夢を見ることです。
このシンクロニシティ①から③がどのような状況で起きるのかを考えると、夢と非常に関係していることがわかります。
夢って、見た内容などを覚えていますか?
見たことも忘れている、覚えていない、というのが実際ではなかと思います。
ただ、夢を覚えよう、という意識を持つだけでも夢の内容や状況を覚えていられることが多いです。
この、夢については、また後日、記述したいと思います。
実は、シンクロニシティは私たちの意識からの働きかけによって起こる、とも言われています。
たとえば、「電話をかけたいと思った相手から電話がかかってくる」というシンクロニシティは、その人に電話をかけたいという意識からの働きかけが、向こうから電話がかかってくるという現象を引き起こしているそうです。
だったら、願えば望みはすべて実現するはずでは?!
と疑問に思う人もいるでしょう。
私もそう思いました。
その答えは、イエスであり、ノーでもあるようです。
どうやら、望みを願う意識があまりにも強すぎると、シンクロニシティは起きづらいという法則のようなものがあるとのこと。
過度に意識すると、現象は起こらない。ところが、淡く思って意識を持つと起こる。
「強く念じるのではなく、淡く思うほうがいい」
おそらく、強く念じると、いろいろな執着や雑念が無意識(潜在意識)に落とし込まれてしまい、それに似た現象を引き寄せてします。
ところが、淡く思えば、そこに執着や雑念が入り込む余地が少なくなり、純粋に思ったことが無意識(潜在意識)に伝わり、その淡い思いを象徴するような現象が起こりやすくなる、ということ。
不思議ですね。
ちょっと難しいですが、その人の心の状態、特に潜在意識の状態がそのまま現象として現れるのがシンクロニシティであるということ。
つまり、シンクロニシティを呼び込むのは、「顕在意識の願望」ではなく、「潜在意識の心の状態」なのです。
「強く念じるのではなく、淡く思うほうがいい」
早速、実践してみます。
参考文献
秋山眞人・布施泰和(2017)『シンクロニシティ「意味のある偶然」のパワー』成甲書房.