夢の現象学

ここのところ、夢についての記載内容が増えている。

それはやはり、自分がものすごく夢について興味があり、知識を深めたいと思っているからだと思う。

 

 

毎日見ているだろうとされている夢。

夢の世界はどのような構造なのだろうか。

そして、そもそも夢は現実とは何が違うのか。

 

現実の世界で私たちは喜んだり悲しんだりするように、夢の中でも同じように喜んだり悲しんだりする。 

ただ、まったく同じであれば、現実の世界と夢との区別がなくなってしまうだろう。

何かが異なっている。何かが違っている。

 

その現実の世界と夢の世界の「原理」を解明して比較する方法を一世紀も前に見つけた哲学者がいる。

 

それは、オーストリア(当時)生まれのユダヤ系哲学者、エドムント・フッサール(1859-1938)が創始した、現象学がそれだ。

 

そもそも現象学、という学問さえ知らない私にとって、ここからの話は非常に難解であるが、できるだけ分かりやすくしてみようと思う。

 

現象学は、まず、いっさいの先入観のたぐいを捨てて、体験現象そのものを観察する。その後、その体験現象にとって本質的と思われる体験の構造、つまり「ある体験が成立するのに必須の構造的特徴」を抽出する。

このような手続きを、現象学的還元という。

そして、この本質的な体験構造を観察して抽出する方法として、体験同士を比較することが用いられる。

 

そう、現実世界での体験と、夢の世界での体験を比較するのである。

 

過去、現在、未来と時間軸はあり、現実世界にいる私は、過去起こったことを「想起」し、現在起きていることを「知覚」し、そして未来を「予期」しようとする。

 

それでは、具体的な夢と現実を比較し、夢世界の時間的体験構造を考察してみよう。

 

1.仮定法未来がない?

 現実:

 もしも、明日のテストを受けたらどうなるのかな…とあれこれ考える

 (未来に関する仮定法)

 

 夢:

 実際にテストを受けている

 (現在形)

 

 現実では、未来に関する仮定法としてあれこれ考え「予期」していたことが、夢では現在形として起こっている。つまり、現在の出来事として「知覚」している事が分かる。

 

そう。夢には 仮定法未来は起こらないのか?!

 

  

 

 

 

 

 参考文献

 渡辺恒夫(2016)「夢の現象学・入門」講談社