実存心理学者フランクルの説く「現代版幸福のパラドックス」

 

 フランクルは言う。

 

「幸福の追求は、幸福を妨げる」

 

「幸福を意識することによって、人は幸福になるための理由を見失い、幸福それ自体が消えていかなければならなくなる」

 

「私たちは幸福を獲得しようとすればするほど、それを獲得できなくなる」

 

 

 自分の幸福にこだわりを追い求めているうちは、人の心は決してほんとうに満たされることがない。幸福を追い求めても、それは必ず失敗に終わる、とフランクルは言う。

 

 では、どうすればいいか。

 

どうすることもできない。

ただ幸せになろう、幸福を手に入れようというこだわりを捨てて、なすべきことに取り組むがいい。そうしているうちに然るべき時が来れば、自ずと幸福は手に入るはずだ。

 

これがフランクルの答えである。

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

講談社現代新書「〈むなしさ〉の心理学」.諸富祥彦